宅建合格ナビ2026
権利関係

2019年度 宅建士試験 問4

不法行為ふほうこういかんするつぎ記述きじゅつのうち、民法みんぽう規定きていおよ判例はんれいによれば、ただしいものはどれか。
1放火によって家屋が滅失し、火災保険契約の被保険者である家屋所有者が当該保険契約に基づく保険金請求権を取得した場合、当該家屋所有者は、加害者に対する損害賠償請求金額からこの保険金額を、いわゆる損益相殺として控除しなければならない。
2被害者は、不法行為によって損害を受けると同時に、同一の原因によって損害と同質性のある利益を既に受けた場合でも、その額を加害者の賠償すべき損害額から控除されることはない。
3第三者が債務者を教唆して、その債務の全部又は一部の履行を不能にさせたとしても、当該第三者が当該債務の債権者に対して、不法行為責任を負うことはない。
4名誉を違法に侵害された者は、損害賠償又は名誉回復のための処分を求めることができるほか、人格権としての名誉権に基づき、加害者に対し侵害行為の差止めを求めることができる。

正解:4

解説

<p><strong>選択肢1:</strong>この選択肢は誤りです。不法行為によって損害を受けた者が、その損害を填補するために火災保険契約に基づき保険金を受け取った場合、その保険金は、加害者に対する損害賠償請求額から損益相殺として控除されることはありません。これは、保険金が被害者自身が保険料を支払って得たものであり、加害者の損害賠償責任を軽減する性質のものではないと解されているためです(判例)。</p>

<p><strong>選択肢2:</strong>この選択肢は誤りです。被害者が不法行為によって損害を受けると同時に、同一の原因によって損害と同質性のある利益を既に受けた場合、その利益は損害賠償額から控除されるのが原則です。これを損益相殺といい、被害者が損害と利益の両方を得て不当に利得することを防ぐための考え方です。</p>

<p><strong>選択肢3:</strong>この選択肢は誤りです。第三者が債務者を教唆して、その債務の全部又は一部の履行を不能にさせた場合、当該第三者は債権者に対して不法行為責任を負うことがあります(民法第709条)。債権は相対的な権利ですが、第三者が故意または過失によって債権の実現を妨げ、債権者に損害を与えた場合には、不法行為が成立し得るとされています(判例)。</p>

<p><strong>選択肢4:</strong>この選択肢は正しいです。名誉を違法に侵害された者は、損害賠償(民法第710条)や名誉回復のための処分(民法第723条)を求めることができるだけでなく、人格権としての名誉権に基づき、侵害行為の差止めを求めることもできます。これは、人格権が侵害されるおそれがある場合、その侵害を未然に防ぐための本質的な権利として判例上認められています。</p>

同じ論点をもっと解く・AIチューターの解説を見るなら

無料登録してすべての過去問を解く