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権利関係

2019年度 宅建士試験 問6

遺産分割いさんぶんかつかんするつぎ記述きじゅつのうち、民法みんぽう規定きていおよ判例はんれいによれば、ただしいものはどれか。
1被相続人は、遺言によって遺産分割を禁止することはできず、共同相続人は、遺産分割協議によって遺産の全部又は一部の分割をすることができる。
2共同相続人は、既に成立している遺産分割協議につき、その全部又は一部を全員の合意により解除した上、改めて遺産分割協議を成立させることができる。
3遺産に属する預貯金債権は、相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割され、共同相続人は、その持分に応じて、単独で預貯金債権に関する権利を行使することができる。
4遺産の分割は、共同相続人の遺産分割協議が成立した時から効力を生ずるが、第三者の権利を害することはできない。

正解:2

解説

<p><strong>選択肢1:</strong>被相続人は、遺言によって5年以内の期間を定めて遺産分割を禁止することができます(民法908条)。したがって、「遺言によって遺産分割を禁止することはできず」という記述が誤りであるため、本選択肢は全体として誤りです。受験生は、遺言による分割禁止の可否とその期間制限を正確に覚える必要があります。</p>

<p><strong>選択肢2:</strong>遺産分割協議は、共同相続人全員の合意によって成立する契約の一種と解されます。そのため、既に成立した遺産分割協議であっても、共同相続人全員の合意があれば、その全部または一部を解除し、改めて遺産分割協議を成立させることが可能です(判例:最判平成2年9月27日)。この選択肢は、契約の解除に関する一般的な原則が遺産分割協議にも適用されることを示しており、正しい記述です。</p>

<p><strong>選択肢3:</strong>かつては預貯金債権が相続開始と同時に当然に分割されるとされていましたが、平成28年12月19日の最高裁判所決定により、預貯金債権は遺産分割の対象となることが明確にされました。したがって、相続開始と同時に当然に分割されるわけではなく、遺産分割協議を経て分割されるため、単独で権利を行使することは原則としてできません。この選択肢は、判例変更前の知識に基づいているため誤りです。</p>

<p><strong>選択肢4:</strong>遺産分割の効力は、共同相続人の遺産分割協議が成立した時から生じるのではなく、相続開始の時にさかのぼってその効力を生じます(民法909条本文)。ただし、第三者の権利を害することはできないという部分は正しいですが(民法909条ただし書)、効力発生時期に関する記述が誤っているため、本選択肢は全体として誤りです。受験生は、遺産分割の「遡及効」を正確に理解しておく必要があります。</p>

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