2019年度 宅建士試験 問9
AがBに対して金銭の支払を求めて訴えを提起した場合の時効の中断に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
1訴えの提起後に当該訴えが取り下げられた場合には、特段の事情がない限り、時効の中断の効力は生じない。
2訴えの提起後に当該訴えの却下の判決が確定した場合には、時効の中断の効力は生じない。
3訴えの提起後に請求棄却の判決が確定した場合には、時効の中断の効力は生じない。
4訴えの提起後に裁判上の和解が成立した場合には、時効の中断の効力は生じない。
正解:4
解説
この記述は正しいです。民法旧150条により、訴えが取り下げられた場合、時効の中断の効力は生じません。これは、訴えが最初からなかったものとして扱われるためです。受験生は、訴えの提起自体は中断事由ですが、その後の取り下げによって効力が失われる点を理解しておく必要があります。
この記述は正しいです。民法旧150条により、訴えが却下された場合も、時効の中断の効力は生じません。却下は訴訟要件を満たさないため本案審理に至らなかったケースです。受験生は、却下と棄却の違いを混同しがちですが、どちらも時効中断の効力は生じないという結果は同じです。
この記述は正しいです。民法旧150条には明記されていませんが、判例により、請求棄却の判決が確定した場合も時効の中断の効力は生じないとされています。請求が理由なしと判断されたためです。受験生は、条文に明記されていないため迷うかもしれませんが、判例の立場をしっかり押さえることが重要です。
この記述は誤りです。民法旧147条(請求、承認)および旧149条(和解の申立て)によれば、裁判上の和解は、それ自体が時効中断事由である「請求」の一種であり、また債務の「承認」を含むことが多いため、時効の中断の効力が生じます。受験生は、訴訟が「終わった」という点で、取り下げや却下、棄却と同じように中断しないと誤解しやすいですが、和解は権利関係を確定させる積極的な行為であり、時効中断の効力を生じます。
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