2020年度(10月試験) 宅建士試験 問25
正解:4
解説
1 不動産の価格は、その不動産の効用が最高度に発揮される可能性に最も富む使用(最有効使用)を前提として把握される価格を標準として形成されます(不動産鑑定評価基準 総論第4章Ⅰ 最有効使用の原則)。しかし、現実の不動産の使用方法は、必ずしも最有効使用であるとは限らず、不合理な又は個人的な事情により、十分な効用を発揮していない場合があることにも留意する必要があります(同基準 総論第4章Ⅳ)。したがって、本選択肢の記述は正しいです。
2 鑑定評価の対象となる不動産(対象不動産)は、原則として調査確認が完了した時点(価格時点)における現況を所与としますが、依頼目的及び条件によっては、造成に関する工事が完了していない土地又は建築に係る工事が完了していない建物(未竣工建物等)について、当該工事の完了を前提として鑑定評価を行うことがあります(不動産鑑定評価基準 総論第5章第1節Ⅰ(5))。したがって、本選択肢の記述は正しいです。
3 特殊価格とは、文化財等の一般的に市場性を有しない不動産について、その利用現況等を前提とした不動産の経済価値を適正に表示する価格をいいます。例としては、文化財の指定を受けた建造物について、その保存等に主眼をおいた鑑定評価を行う場合に求める価格などが挙げられます(不動産鑑定評価基準 総論第5章第3節Ⅰ4)。したがって、本選択肢の記述は正しいです。
4 原価法は、価格時点における対象不動産の再調達原価を求め、この再調達原価について減価修正を行って対象不動産の試算価格(積算価格)を求める手法です(不動産鑑定評価基準 総論第7章第1節Ⅱ1)。この手法は、建物又は建物及びその敷地のように再調達原価の把握及び減価修正が可能な場合に有効ですが、対象不動産が土地のみである場合においても、埋立てや造成等が行われた土地で、再調達原価を適切に求めることができるときは、原価法を適用することができます(同基準 総論第7章第1節Ⅱ3(2))。したがって、土地のみの場合には適用できないとする本選択肢の記述は誤りです。
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