2020年度(10月試験) 宅建士試験 問5
正解:1
解説
1 正しい。委任契約が履行の中途で終了した場合、原則として受任者は既にした履行の割合に応じて報酬を請求できる(民法648条3項)。しかし、委任の終了が委任者Aの責めに帰すべき事由による場合は、受任者Bは報酬の「全額」を請求できる(民法648条3項2号)。ただし、この場合、Bは自己の債務(委任事務の履行)を免れたことによって利益を得たときは、これをAに償還しなければならない(民法536条2項の規定が準用または類推適用される)。
2 誤り。受任者は、有償・無償を問わず、委任の本旨に従い、「善良な管理者の注意」をもって委任事務を処理する義務を負う(善管注意義務、民法644条)。「自己の財産に対するのと同一の注意」で足りるわけではない。
3 誤り。委任が履行の中途で終了したときは、受任者は、既にした履行の割合に応じて報酬を請求することができる(民法648条3項)。委任者の責めに帰することができない事由によって履行の中途で終了した場合(これには受任者Bの責めに帰すべき事由による場合も含まれる)は、受任者は、既にした履行の割合に応じて報酬を請求することができる(民法648条3項1号)。したがって、Bの責めに帰すべき事由によって終了した場合でも、Bは既履行部分に対応する報酬は請求できる。「報酬を請求することができない」は誤り。
4 誤り。委任は、委任者又は受任者の死亡によって終了する(民法653条1号)。したがって、受任者Bが死亡した場合、Bの相続人は原則として受任者の地位を承継しない。ただし、委任が終了した場合において、「急迫の事情があるとき」は、受任者又はその相続人等は、委任者等が委任事務を処理することができるに至るまで、必要な処分をしなければならない(民法654条)。「急迫の事情の有無にかかわらず」処理義務を負うわけではない。
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