2020年度(10月試験) 宅建士試験 問9
正解:3
解説
1 誤り。買主が売主に手付を交付したときは、当事者の一方が契約の履行に着手するまでは、買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を現実に提供して、契約の解除をすることができる(民法557条1項)。買主Bが代金支払の準備をして履行の催告をした場合、判例によれば、契約の「履行の着手」があったと解される(例:最判昭40.11.24)。したがって、Aは、Bが履行に着手した後は、手付の倍額を提供しても契約を解除することはできない。
2 誤り。書面によらない贈与は、各当事者が解除することができる。ただし、履行の終わった部分については、この限りでない(民法550条)。不動産の贈与における「履行の終了」は、引渡し又は登記のいずれか一方があれば足りると解されている(判例:最判昭40.3.26)。したがって、「引渡し及び所有権移転登記の両方が終わるまでは」解除できるとは限らない。また、本件は負担付贈与契約であり、その性質に反しない限り双務契約に関する規定が準用される(民法553条)。受贈者が負担の履行に着手した後は、贈与者は書面によらないことを理由とする解除が制限される場合がある。
3 正しい。負担付贈与については、贈与者は、その負担の限度において、売主と同じく担保責任(契約不適合責任)を負う(民法551条2項)。
4 誤り。①の売買契約については、買主Bの債務不履行(代金不払い等)があれば、売主Aに解除権が発生する場合がある(民法541条、542条)。②の負担付贈与契約については、その性質に反しない限り、双務契約に関する規定(解除の規定を含む)が準用される(民法553条)。したがって、受贈者Bが負担の履行をしない(債務不履行)場合には、贈与者Aに解除権が発生することがある。「②の契約については、Aに解除権が発生することはない」は誤り。
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