2020年度(12月試験) 宅建士試験 問12
正解:3
解説
1 正しい。賃借物の修繕が必要である場合において、①賃借人が賃貸人に修繕が必要である旨を通知し、又は賃貸人がその旨を知ったにもかかわらず、賃貸人が相当の期間内に必要な修繕をしないとき、又は②急迫の事情があるときは、賃借人は、自らその修繕をすることができます(民法607条の2)。本肢は①の場合に該当するため、賃借人Bは自ら修繕をすることができます。
2 正しい。賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、又は賃借物を転貸することができません(民法612条1項)。賃借人がこれに違反して第三者に賃借物の使用又は収益をさせたときは、賃貸人は、契約の解除をすることができます(同条2項)。しかし、判例上、賃借人の無断転貸等の行為が、賃貸人に対する背信的行為と認めるに足りない特段の事情がある場合には、賃貸人は解除権を行使できないとされています(信頼関係破壊の法理、最判昭28.9.25等)。したがって、記述は正しいです。
3 誤り。定期建物賃貸借契約(契約の更新がない旨を定めるもの)を有効に成立させるためには、①公正証書等書面による契約締結(借地借家法38条1項)に加え、②賃貸人があらかじめ賃借人に対し、更新がなく期間満了で終了する旨を記載した「契約書とは別個独立の書面」を交付して説明しなければなりません(同条2項、令和4年改正により3項から2項へ移動。旧3項が事前説明義務、新2項が書面交付説明義務)。この②の要件(特に契約書とは別個独立の書面交付)を満たさずに単に口頭で説明しただけでは、更新がない旨の定めは無効となり(同条3項、旧5項)、契約は普通建物賃貸借として扱われます。したがって、本肢のように、契約書とは別個の書面交付による説明がない場合、「賃貸借契約は期間満了により終了する」とはならず、誤りです。
4 正しい。居住用建物の賃借人(B)が相続人なしに死亡した場合において、その当時婚姻の届出をしていないが事実上夫婦と同様の関係にあった同居者(D)があるときは、その同居者Dは、建物の賃借人の権利義務を承継します。ただし、Dが、Bが相続人なしに死亡したことを知った後1か月以内に賃貸人(A)に反対の意思を表示したときは、この限りではありません(借地借家法36条1項)。本肢の記述はこの条文の内容通りです。
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