2021年度(10月試験) 宅建士試験 問14
不動産の登記に関する次の記述のうち、不動産登記法の規定によれば、正しいものはどれか。
1所有権の登記の抹消は、所有権の移転の登記がある場合においても、所有権の登記名義人が単独で申請することができる。
2登記の申請をする者の委任による代理人の権限は、本人の死亡によって消滅する。
3法人の合併による権利の移転の登記は、登記権利者が単独で申請することができる。
4信託の登記は、受託者が単独で申請することができない。
正解:3
解説
1 所有権の登記の抹消は、所有権の移転の登記がない場合に限り、所有権の登記名義人が単独で申請することができる(不動産登記法77条)。所有権の移転の登記がある場合(例:売買によりAからBへ所有権が移転し、そのB名義の登記を抹消する場合)は、登記権利者(抹消により所有権を回復するAなど)と登記義務者(現在の所有権登記名義人B)が共同して申請しなければならない(不動産登記法60条)。したがって、「所有権の移転の登記がある場合においても、所有権の登記名義人が単独で申請することができる」とする本肢は誤り。
2 登記の申請をする者の委任による代理人の権限は、本人の死亡によっては消滅しない(不動産登記法17条1号)。これは民法上の代理権消滅事由(民法111条1項1号)の特則であり、登記手続きの安定性と円滑な処理を図るための規定である。したがって、「本人の死亡によって消滅する」とする本肢は誤り。
3 法人の合併による権利の移転の登記は、合併後存続する法人又は合併により設立された法人が登記権利者として単独で申請することができる(不動産登記法63条2項)。合併により消滅した法人は登記義務者となり得ないためである。したがって、本肢は正しい。
4 信託の登記は、当該信託に係る権利の保存、設定、移転又は変更の登記と同時に申請しなければならないとされていますが(不動産登記法98条1項)、信託の登記自体は、受託者が単独で申請することができます(同条2項)。したがって、「受託者が単独で申請することができない」とする本肢は誤り。
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