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権利関係

2021年度(10月試験) 宅建士試験 問2

債務者さいむしゃA、B、Cの3めいが、令和れいわ6ねん7がつ1にちに、内部的ないぶてき負担部分ふたんぶぶん割合わりあいひとしいものとして合意ごういしたうえで、債権者さいけんしゃDにたいして300まんえん連帯債務れんたいさいむった場合ばあいかんするつぎ記述きじゅつのうち、民法みんぽう規定きていによれば、あやまっているものはどれか。
1DがAに対して裁判上の請求を行ったとしても、特段の合意がなければ、BとCがDに対して負う債務の消滅時効の完成には影響しない。
2BがDに対して300万円の債権を有している場合、Bが相殺を援用しない間に300万円の支払の請求を受けたCは、BのDに対する債権で相殺する旨の意思表示をすることができる。
3DがCに対して債務を免除した場合でも、特段の合意がなければ、DはAに対してもBに対しても、弁済期が到来した300万円全額の支払を請求することができる。
4AとDとの間に更改があったときは、300万円の債権は、全ての連帯債務者の利益のために消滅する。

正解:2

解説

1 連帯債務者の一人について生じた事由は、原則として他の連帯債務者に対して効力を生じません(相対的効力の原則、民法441条)。債権者による連帯債務者の一人に対する裁判上の請求は、時効の完成猶予・更新事由ですが(民法147条1項)、これも相対効の事由です。したがって、DがAに対して裁判上の請求を行っても、その効力はBとCには及ばず、BとCの債務の消滅時効の完成には影響しません。よって、本記述は正しいです。

2 連帯債務者の一人Bが債権者Dに対して債権を有する場合において、Bが相殺を援用しない間は、他の連帯債務者Cは、Bの負担部分(本問では300万円の3分の1である100万円)の限度において、債権者Dに対して債務の履行を拒むことができる(民法439条2項)。しかし、これはあくまで履行を拒絶できる権利であり、C自身がBの有する債権を用いて相殺の意思表示をすることはできない。相殺は債権を有するB自身が行うべきものである。したがって、「Cは、BのDに対する債権で相殺する旨の意思表示をすることができる」という記述は誤りである。

3 連帯債務者の一人について生じた事由は、原則として他の連帯債務者に対して効力を生じない(相対的効力の原則、民法441条本文)。債務の免除も相対効の事由の一つである(改正前の民法では絶対効とされていたが、令和2年4月1日施行の改正民法により変更された)。したがって、債権者Dが連帯債務者の一人Cに対して債務を免除しても、その効力はCにのみ生じ、他の連帯債務者AおよびBの債務には影響しない。よって、特段の合意がなければ、DはAに対してもBに対しても、依然として300万円全額の支払を請求することができる。したがって、記述は正しい。

4 連帯債務者の一人と債権者との間に更改があったときは、債権は、全ての連帯債務者の利益のために消滅する(民法438条)。これは連帯債務における絶対的効力事由の一つである。したがって、AとDとの間に更改があった場合、Dが有していた300万円の連帯債務は、Aのみならず、BおよびCに対しても消滅する。したがって、記述は正しい。

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