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宅建業法

2021年度(10月試験) 宅建士試験 問42

宅地建物取引業者たくちたてものとりひきぎょうしゃAが、みずか売主うりぬしとして宅地建物取引業者たくちたてものとりひきぎょうしゃではないBを買主かいぬしとする土地付建物とちつきいたてもの売買契約ばいばいけいやく代金だいきん3,200万円まんえん)を締結ていけつする場合ばあいかんするつぎ記述きじゅつのうち、民法みんぽうおよ宅地建物取引業法たくちたてものとりひきぎょうほう規定きていによれば、ただしいものはどれか。
1割賦販売の契約を締結し、当該土地付建物を引き渡した場合、Aは、Bから800万円の賦払金の支払を受けるまでに、当該土地付建物に係る所有権の移転登記をしなければならない。
2当該土地付建物の工事の完了前に契約を締結した場合、Aは、宅地建物取引業法第41条に定める手付金等の保全措置を講じなくても手付金100万円、中間金60万円を受領することができる。
3当事者の債務の不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の予定額を400万円とし、かつ、違約金の額を240万円とする特約を定めた場合、当該特約は無効となる。
4当事者の債務の不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償の予定額を定めていない場合、債務の不履行による損害賠償の請求額は売買代金の額の10分の2を超えてはならない。

正解:2

解説

1 誤り。宅地建物取引業者が自ら売主として宅地又は建物の割賦販売を行った場合、原則として買主に目的物を引き渡すまでに登記等の義務を履行しなければなりません。ただし、買主から受領した賦払金の額が代金の額の10分の3以下である場合は、引渡しまでに登記等をしなくてもよいとされています(宅地建物取引業法43条1項)。本問の代金は3,200万円なので、その10分の3は960万円です。したがって、AはBから960万円を超える賦払金の支払いを受けるまで(=960万円以下の間)は、所有権移転登記をしなくても構いません。「Bから800万円の賦払金の支払を受けるまでに、移転登記をしなければならない」とする本記述は誤りです。

2 正しい。宅地建物取引業者が自ら売主となり、工事完了前の物件(未完成物件)の売買契約を締結する場合、原則として手付金等の保全措置を講じなければ買主から手付金等を受領できません。ただし、例外として、①買主への所有権移転登記がされたとき、又は②受領しようとする手付金等の額が代金の5%以下であり、かつ、1,000万円以下であるときは、保全措置は不要です(宅地建物取引業法41条1項)。本問の代金は3,200万円であり、その5%は160万円です。受領する手付金100万円と中間金60万円の合計額は160万円であり、これは代金の5%(160万円)以下であり、かつ1,000万円以下です。したがって、例外②に該当し、Aは保全措置を講じなくても手付金100万円と中間金60万円を受領することができ、本記述は正しいです。

3 誤り。宅地建物取引業者が自ら売主となり、宅地建物取引業者でない者を買主とする売買契約において、当事者の債務不履行を理由とする契約解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定めるときは、これらを合算した額が代金の額の10分の2を超える定めをしてはなりません(宅建業法第38条第1項)。これに反する特約は、10分の2を超える部分について無効となります(同条第2項)。本問の代金は3,200万円であり、その10分の2は640万円です。損害賠償の予定額400万円と違約金240万円の合計額は640万円であり、代金の10分の2を超えていません。したがって、この特約は全体として有効であり、「当該特約は無効となる」とする本記述は誤りです。

4 誤り。宅地建物取引業法第38条第1項は、損害賠償額の「予定」又は「違約金」を定める場合の制限であり、これらを定めない場合には適用されません。損害賠償額の予定等を定めない場合は、民法の原則に従い、実際に発生した損害額(実損額)を請求することができます(民法第415条)。したがって、実損額が代金の10分の2を超えていたとしても、その全額を請求することが可能です。「損害賠償の請求額は売買代金の額の10分の2を超えてはならない」とする本記述は誤りです。

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