2024年度 宅建士試験 問8
次の記述のうち、民法の条文として規定されていないものはどれか。
1隔地者間の契約は、承諾の通知を発した時に成立する。
2無効な行為に基づく債務の履行として給付を受けた者は、相手方を原状に復させる義務を負う。
3代理人が自己又は第三者の利益を図る目的で代理権の範囲内の行為をした場合において、相手方がその目的を知り、又は知ることができたときは、その行為は、代理権を有しない者がした行為とみなす。
4未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。
正解:1
法改正ポイント — 答えが「変わった」重要問題
出題当時(2024年)
肢1 が正解 ✓
現在(本試験の法令)
肢1(結論は同じ)
2020-04-01 民法改正(令和2年)施行
何が変わった:旧民法526条1項「隔地者間の契約は承諾の通知を発した時に成立する(発信主義)」が削除された。契約成立時期は民法97条1項の到達主義に統一された。また、旧法では不当利得などで解釈に委ねられていた無効行為の原状回復義務が、民法121条の2第1項として新たに明文化された。
この問題への影響:正解は引き続き選択肢1(a)。ただし「規定されていない」理由が法改正に起因する点が核心——旧法下では旧526条として実際に条文が存在したが、改正で削除されたため現在は規定なし。この経緯を知らないと「発信主義は今も条文にある」と誤解するリスクがある。選択肢2(b)については逆に改正で新設された規定(民法121条の2)なので、現在は「規定されている=不正解」が正しく成立する。
💡 法改正は本試験の頻出得点源です。「昔と今の違い」を押さえると差がつきます。
解説
正解(規定されていない)。かつての民法第526条第1項では「隔地者間の契約は、承諾の通知を発した時に成立する」という発信主義が規定されていましたが、2020年(令和2年)4月施行の改正民法によりこの規定は削除されました。現在の民法では、契約の成立時期についても原則通り、相手方に通知が届いた時に効力を生ずるという「到達主義(民法第97条第1項)」が適用されます。
不正解(規定されている)。本肢の内容は、民法第121条の2第1項(無効な行為に基づく原状回復義務)として、2020年の改正により明文化されました。条文には「無効な行為に基づく債務の履行として給付を受けた者は、相手方を原状に復させる義務を負う」と規定されています。
不正解(規定されている)。本肢の内容は、代理権の濫用に関する規定として、民法第107条に規定されています。代理人が自己または第三者の利益を図る目的で代理権の範囲内の行為(代理権の濫用)をした場合、相手方がその目的を知り、または知ることができたときは、無権代理(代理権を有しない者がした行為)とみなされます。
不正解(規定されている)。本肢の内容は、民法第5条第1項(未成年者の法律行為)に規定されています。未成年者が法律行為をするには法定代理人の同意が必要ですが、単に権利を得(贈与を受けるなど)、または義務を免れる(借金を免除してもらうなど)法律行為については、未成年者に不利益がないため、例外として同意なく単独で行うことができます。
同じ論点をもっと解く・AIチューターの解説を見るなら
無料登録してすべての過去問を解く