宅建試験の合格率や合格基準点は、年度によって意外と大きく変動する。これから令和8年度(2026年度)試験に挑む人にとって、「過去はどうだったのか」を正しく知っておくことは、合格ラインへの向き合い方を考えるうえで役に立つ。ここでは一般財団法人 不動産適正取引推進機構が公表している公式データをもとに、直近10年間の推移を整理する。
過去10年間の合格率・合格基準点の推移
不動産適正取引推進機構が公表している「試験実施概況」によると、平成28年度(2016年度)から令和7年度(2025年度)までの合格率・合格基準点(一般受験者・50点満点)は以下の通りである。
| 実施年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 合格基準点 |
|---|---|---|---|---|
| 令和7年度(2025) | 245,462人 | 45,821人 | 18.7% | 33点 |
| 令和6年度(2024) | 241,436人 | 44,992人 | 18.6% | 37点 |
| 令和5年度(2023) | 233,276人 | 40,025人 | 17.2% | 36点 |
| 令和4年度(2022) | 226,048人 | 38,525人 | 17.0% | 36点 |
| 令和3年度10月試験 | 209,749人 | 37,579人 | 17.9% | 34点 |
| 令和2年度10月試験 | 168,989人 | 29,728人 | 17.6% | 38点 |
| 令和元年度(2019) | 220,797人 | 37,481人 | 17.0% | 35点 |
| 平成30年度(2018) | 213,993人 | 33,360人 | 15.6% | 37点 |
| 平成29年度(2017) | 209,354人 | 32,644人 | 15.6% | 35点 |
| 平成28年度(2016) | 198,463人 | 30,589人 | 15.4% | 35点 |
なお令和2・3年度はコロナ禍の影響で年2回(10月・12月)実施されており、12月試験分は別枠で集計されている。
この10年間を見ると、合格率(10月試験ベース)は15.4%〜18.7%の範囲で推移しており、合格基準点(一般受験者)は33点〜38点の間で変動している。特に合格基準点は、令和2年度10月試験の38点から令和7年度の33点まで、年度によって5点もの差が生じている点は押さえておきたい。
令和7年度(2025年度)試験は10年間で最も高い合格率
今回確認した公式データの範囲では、令和7年度(2025年度)試験の合格率18.7%が、平成28年度以降の10年間で最も高い数値だった。試験日は令和7年10月19日(日)、全国47都道府県257会場で実施され、申込者306,099人、受験者245,462人、合格者45,821人という結果になっている。
受験率は80.2%で、ここ数年安定して80%前後を維持している。男女別では合格率に差があり、男性18.1%に対し女性19.6%とやや女性の方が高い傾向が示されている。平均年齢は36.2歳で、職業別では不動産業従事者が33.2%と最も多く、次いで他業種27.9%、学生10.9%という構成になっている。
2026年度 宅建試験 法改正まとめ
2026年10月の試験に影響する法改正を、科目別・重要度つきで1冊にまとめました。出典はすべて官公庁の公表資料です。
合格基準点はなぜ毎年変わるのか
「合格基準点が下がった年は簡単だった」「上がった年は難しかった」と単純に語られることがあるが、宅建試験は受験者全体の得点分布に応じて合格基準点が毎年決定される仕組みのため、点数の上下だけをもって試験の難易度そのものが変化したと断定することはできない。合格基準点の変動理由について、「問題が易化・難化した」という形での説明は公式には行われていない。
受験生にとって重要なのは、「何点取れば安全か」を固定的に考えるのではなく、毎年変動する基準点の決まり方の仕組み自体を理解したうえで、自分の得点をどう積み上げるかという視点を持つことだ。
登録講習修了者(5点免除)の合格率の傾向
宅建試験には、国土交通大臣登録の講習(いわゆる登録講習)を修了した人が5問免除で受験できる制度があり、この対象者の合格率は一般受験者より一貫して高い傾向が公式データで確認できる。
- 令和7年度: 登録講習修了者24.2% vs 全体18.7%
- 令和6年度: 登録講習修了者21.9% vs 全体18.6%
宅建業に従事しており登録講習の受講資格がある人にとっては、この制度を活用するかどうかも一つの検討材料になり得る。
令和8年度(2026年度)試験のスケジュール
令和8年度(2026年度)試験については、以下のスケジュールが公式に発表されている。
- 官報公告: 令和8年6月5日(金)
- インターネット申込期間: 令和8年7月1日(水)9:30〜7月31日(金)23:59
- 郵送申込期間: 令和8年7月1日(水)〜7月15日(水)
- 試験日: 令和8年10月18日(日) 13:00〜15:00(登録講習修了者は13:10〜15:00)
- 合格発表: 令和8年11月25日(水)
- 受験手数料: 8,200円
令和8年度試験の合格率・合格基準点については、現時点で公式な見通しは一切公表されていない。受験者全体の得点分布に応じて基準点が決まる仕組みのため、実際の得点分布が判明する合格発表日まで確定しないためだ。過去10年の実績値はあくまで参考情報として捉え、「今年は何点取れば安全」という思い込みに頼らず、着実に得点力を積み上げる学習を続けることが基本になる。
まとめ
過去10年間の公式データを見る限り、宅建試験の合格率(10月試験ベース)は15.4%〜18.7%、合格基準点は33点〜38点の範囲で推移しており、令和7年度(2025年度)の合格率18.7%はこの期間で最も高い数値だった。ただし合格基準点の変動は、受験者全体の得点分布に応じて基準点が決まる制度の結果であり、単純な難易度の上下として断定できるものではない。登録講習修了者の合格率が一般受験者より高い傾向がある点は、対象者にとって参考になる事実だ。
令和8年度(2026年度)試験は10月18日(日)実施、合格発表は11月25日(水)予定で、申込は7月1日から始まる。合格率・合格基準点の見通しは公表されていないからこそ、過去の数字に一喜一憂するのではなく、日々の学習を積み重ねることが最も確実な対策と言える。宅建合格ナビ2026では、こうした公式データに基づく情報発信と、AI解説を活用した学習の効率化を通じて、受験生の学習をサポートしていく。

