宅建合格ナビ2026
法律知識

営業保証金と保証協会(弁済業務保証金)の違いを徹底比較

宅建合格ナビ編集部(編集方針)公開日:2026年7月20日最終更新日:2026年7月20日6分で読める

宅建業を開業するには、取引でトラブルが起きた際に消費者を保護するための資金を用意する必要があります。その方法は「営業保証金を自分で供託する」ルートと「保証協会に加入して弁済業務保証金分担金を納める」ルートの2つ。両者は目的こそ同じですが、金額や手続きの流れが大きく異なるため、宅建試験でも頻出の対比論点です。ここでは4つの軸で整理します。

供託先の違い:自分で供託 vs 保証協会経由

営業保証金ルートでは、宅建業者は事業を開始する前に、主たる事務所のもよりの供託所(法務局・地方法務局とその支局)に自ら営業保証金を供託しなければなりません(宅建業法第25条)。

一方、保証協会に加入するルートでは、業者自身が供託所に供託するのではなく、保証協会に対して弁済業務保証金分担金を納付します(宅建業法第64条の9)。分担金を受け取った保証協会が、その相当額をまとめて供託所に供託する仕組みです(宅建業法第64条の7)。つまり「個社が直接供託するか」「保証協会がプールしてまとめて供託するか」が最大の分岐点です。

金額の考え方:主たる事務所と従たる事務所

営業保証金の額は宅地建物取引業法施行令第2条の4により、主たる事務所につき1,000万円、その他の事務所につき事務所ごとに500万円の合計額と定められています。事務所数が多いほど負担も大きくなる仕組みです。

対して保証協会ルートの弁済業務保証金分担金は、主たる事務所につき60万円、その他の事務所につき事務所ごとに30万円の合計額(政令で定める額)。営業保証金の約16分の1(1,000万円→60万円)という水準まで開業資金の負担を圧縮できるのが、保証協会に加入する業者が多い理由です。なお事務所を新設した場合の分担金は、設置した日から2週間以内に納付する必要があり、この期限内に納付しないと保証協会の社員(構成員)としての地位を失う点にも注意が必要です(宅建業法第64条の9第2項・第3項)。

数字整理

  • 営業保証金:主たる事務所1,000万円/従たる事務所ごとに500万円
  • 分担金:主たる事務所60万円/従たる事務所ごとに30万円

還付の仕組み:直接請求か、保証協会の認証を経るか

営業保証金ルートでは、宅建業に関する取引により生じた債権を持つ者(宅建業者を除く。平成29年改正)は、営業保証金についてそのまま弁済(還付)を受ける権利を持ちます(宅建業法第27条)。還付により営業保証金に不足が生じた場合、国土交通省令で定める日から2週間以内に不足額を供託しなければならず(宅建業法第28条第1項)、さらに供託した日から2週間以内に免許権者へ届出をしなければなりません(同条第2項)。

保証協会ルートでは、社員である宅建業者(社員になる前の取引を含む)と宅建業に関し取引をした者(宅建業者を除く)が弁済を受けるには、まず保証協会の認証を受ける必要があります(宅建業法第64条の8)。ここで押さえておきたいのは、還付を受けられる限度額は「納付した分担金の額」ではなく、「その業者が保証協会の社員でなかった場合に供託すべき営業保証金の額に相当する範囲」だという点です。つまり分担金は安くても、消費者が受けられる保護の水準は営業保証金ルートと同じ枠組みで設計されています。

還付が行われると、保証協会は国土交通大臣から還付があった旨の通知を受けた日から2週間以内に、還付額相当の弁済業務保証金を供託しなければなりません(宅建業法第64条の8第3項)。そして保証協会から還付充当金の納付通知を受けた宅建業者は、通知を受けた日から2週間以内にその還付充当金を保証協会に納付する義務を負います(宅建業法第64条の10第2項)。この「還付充当金の後払い」は、自社の取引が原因で還付が発生した場合に発生する、保証協会ルート特有の負担といえます。

2026年度 宅建試験 法改正まとめ

2026年10月の試験に影響する法改正を、科目別・重要度つきで1冊にまとめました。出典はすべて官公庁の公表資料です。

ご入力いただいたメールアドレス宛に、資料のダウンロードリンクと、宅建試験対策に関するお知らせ・キャンペーン情報をお送りします。配信はいつでも停止できます。
プライバシーポリシーをご確認のうえ送信してください。

取戻しの流れ:いずれも「6月を下らない公告」が原則(ただし例外あり)

営業保証金の取戻し(宅建業法第30条)は、免許の有効期間(5年間)満了、破産・法人解散・宅建業の廃止、死亡または法人合併による消滅、免許取消しなどの事由が生じた場合に行えます。ただし原則として、還付請求権者に対し6月を下らない一定期間内に申し出るべき旨を公告し、その期間内に申出がなかった場合でなければ取り戻すことができません。取戻し事由の発生から10年を経過したときはこの限りではありません。

弁済業務保証金の取戻し(宅建業法第64条の11)は、社員が社員の地位を失った場合に、原則として6月を下らない一定期間内に申し出るべき旨を公告した後でなければ取り戻すことができない点は営業保証金と共通しています。一方、事務所を一部廃止したことに伴い分担金の額が法定額を超えることとなった場合の超過額の取戻しについては、公告は不要です(公告義務があるのは社員が社員の地位を失った場合に限られます)。この公告要否の違いは対比論点として出題されやすいため、あわせて押さえておきましょう。

まとめ

営業保証金と保証協会(弁済業務保証金)は、どちらも取引の相手方を保護するための供託制度という点で共通しますが、供託の主体・金額・還付の手続き・取戻しの起点が異なります。

  • 供託先:営業保証金は業者自身が供託所へ/分担金は保証協会経由で供託
  • 金額:主たる事務所1,000万円と60万円、従たる事務所500万円と30万円という対比を数字でセットで覚える
  • 還付:営業保証金は直接請求(宅建業者を除く)/弁済業務保証金は保証協会の認証を経て請求(宅建業者を除く)、還付限度額はどちらも営業保証金相当額の枠組み
  • 取戻し:社員の地位喪失等の場合は原則6月を下らない期間の公告が必要(事務所の一部廃止に伴う分担金超過額の取戻しは公告不要)

この4つの軸で対比表を自作しながら整理すると、択一問題での混同を防ぎやすくなります。学習の効率化に役立てるため、条文番号(第25条・第27条・第28条・第30条・第64条の7〜11)と金額をセットで繰り返し確認しておきましょう。

#宅建業法#営業保証金#保証協会#弁済業務保証金
無料配布

2026年度 宅建試験 法改正まとめ

2026年10月の試験に影響する法改正を、科目別・重要度つきで1冊にまとめました。出典はすべて官公庁の公表資料です。

  • 権利関係・宅建業法・法令上の制限・税その他の科目別
  • 重要度つきなので、時間がない直前期でも優先順位がわかる
  • 各項目に官公庁の出典リンクつき

ご入力いただいたメールアドレス宛に、資料のダウンロードリンクと、宅建試験対策に関するお知らせ・キャンペーン情報をお送りします。配信はいつでも停止できます。
プライバシーポリシーをご確認のうえ送信してください。

宅建合格ナビで効率的に学習しませんか?

直近傾向・AIチューター・弱点復習で2026年合格を目指そう

無料で始める

関連記事